こんにちは!大阪市福島区にある犬の幼稚園oluolu dog schoolです。
お散歩での引っ張りは、ワンちゃんと暮らす上でのお悩みの中でもかなり多いです。
ただ、私たちが実際にお悩みとして聞くのは、お散歩中の拾い食いや他の人・犬への吠えがほとんど。
そういったお悩みがあるワンちゃんの多くは、同時にお散歩中の引っ張りも併発しています。
今回は、お散歩中の引っ張りについて、理由と改善方法を紹介します。
1.外という環境に興奮している
興奮している理由は様々ですが、お散歩時のお悩みのほとんどはここに起因しているといっても過言ではありません。
興奮といっても、お散歩が好きで興奮しているとは限りません。
お外には、知らない人、犬、自転車、車などたくさんの刺激があり、それらの匂いが複雑に漂っています。
つまり、ワンちゃんにとっては情報過多なのです。
特に都会に住むワンちゃんにとって、ただ道を歩くだけでも結構ハードルが高いことがあります。
しかし、意気揚々と歩く姿から、お散歩が好きで興奮していると思われがち。
興奮しているワンちゃんのわかりやすい特徴は4つあります。
①声をかけても届かないことが多い
呼びかけても顔が上がらず、引っ張ることに夢中になっている状態です。
これはお外が好きだからというよりは、飼い主の声をキャッチするほどの余裕がない状態といえるでしょう。
②匂い嗅ぎやマーキングが多い
必死に情報収集をしたり、自分の匂いをつけて落ち着かせようとしているサインです。
もちろん、イヌという動物の習性の一つとして匂い嗅ぎは多いものですが、あまりにもこだわって匂い嗅ぎやマーキングをしている場合は、不安からくる行動かもしれません。
(未去勢のオスの場合は異なります)
③息が上がりやすい(短吻種を除く)
さほど長い距離を歩いたり、走ったりしていないのに息が上がってしまう場合は、気持ちの余裕がなくて息が上がってしまっているかもしれません。
このときのパンティング(口を開けてハアハア息をすること)の特徴として、舌の先が上向きにクルッと巻かれ、口角が横に広がり、よだれがたくさん出ます。
興奮状態があまりにも強い場合は、目が充血することも。
笑顔と勘違いされることがあり、トレーナーの間では「ピエロスマイル」と言われています。
④前足が浮く、首輪が締まって咽るなど、身体的なストレスがあっても引っ張り続けている
大好きなお友達や人・場所に向かっているときには、こういった身体的なストレスを気にせずに引っ張ることがあります。
しかし、特に明確な喜びの対象がいないのに自分の体のストレスを無視して引っ張り続けている場合は、プチパニック状態といっても過言ではありません。
改善方法
①なるべく静かな道を選ぶ
できれば、見晴らしがよい広い公園などがベスト。
人や犬が少なく、受け取る情報が少ないところから徐々に慣らしてあげましょう。
②一緒に歩く練習をする
ずっと顔を上げて歩くというのは本来のお散歩でいうと必要ない行動ですが、興奮しているワンちゃんの場合はまず飼い主さんとコミュニケーションをとって楽しく歩くという経験が大切です。
まったく声が届かない状態ではなく、ずっと声が届く状態をつくれるように練習して、そこから徐々に自由度をあげていきましょう。
③受け入れられる範囲から徐々にコツコツ刺激に慣らしていく
都会の大通り(車・人・犬が通る道)がレベル10だとしたら、レベル1を探して慣らしてあげましょう。
人の少なさ、すれ違う時の距離、音の静けさなどを調整して、受け入れられるところから徐々にレベルをあげていきます。
2.ワンちゃんに散歩されている
ワンちゃんが右に行きたいと言えば右に、左に行きたいと言えば左に、立ち止まりたいと言えば立ち止まり、あっちに行きたいと言えば走ってついてく…
この経験が多いとワンちゃんはもちろん飼い主と歩いている意識がないので、あっちにいきたいこっちに行きたいと引っ張ります。
いわば、人が犬に散歩されている状態です。
いつもはついてきてくれるのに、進ませてくれない!となると、ワンちゃんはもっと強く主張したらついてきてくれるのではないか?と思い強く引っ張ります。
そして、あまりにも引っ張るので根負けしてついていく…ということが起こると、ワンちゃんは「このぐらい引っ張れば飼い主はいかせてくれるのか」とさらに引っ張りを学習します。
改善方法
このケースで引っ張りを治すポイントはたった一つだけ。
引っ張っている間は進まない、緩んでいる間だけ進む、これだけです。
引っ張って進めた分だけ、引っ張りを強化(行動を増やすこと)していることになるので、望みが叶えられなければ減っていきます。
しかし、今まで進めていた分、急に進めなくなったら一時的に行動が強くなります。そこでいかに頑張って進まないでいるかというのが肝!
練習し始めはほとんど進めないと思ってください。
3.目的の場所に行きたい
特におトイレを外でさせているワンちゃんによくあるのが、いつも排泄をする場所が決まっていて、そこまで一目散に引っ張るというケースです。
その他、いつも行くトリミングサロンやドッグカフェ、大好きな人がいる場所などの道や、帰り道に猛ダッシュしようとするなど、ワンちゃんにとって「行きたい」という気持ちが強い時に引っ張ります。
本校の生徒の中にも、幼稚園が大好きで、当園時にすごく引っ張る…と伺うことがあります。
改善方法
これも行きたいと引っ張ったら行かせてくれた!という経験が引っ張るという行動を強化しているので、行けなかったという経験があれば自然と減っていきます。
もしくは、お望みの目的地の魅力よりもうんと魅力が強いトリーツを使って上手に回避しましょう。
お散歩の考え方
いかがでしたか?
お散歩の引っ張りについてお話していきましたが、もちろんこれ以外にも複雑に要因が絡み合っていることも多々あります。
どのケースでもいえるのが、飼い主のことをお構いなしに引っ張る場合、「引っ張る」「一緒に歩く」という行動ではなく、ワンちゃんの心のトレーニングから始める必要があるということです。
もしワンちゃんがお家の中でできることがお外ではできないのであれば、そのワンちゃんにとってお外という環境が刺激的で、難しい環境なのかもしれません。
アイコンタクトができるかな?お名前を呼んだら振返れるかな?オスワリはできるかな?
など、お外で出来ることを増やしてみましょう。
oluoluでは「お散歩=楽しく発散」を目指して、ワンちゃんに合わせたスモールステップをご案内しております。
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