犬を迎える前に読んでほしい話
- くどう まやか
- 4月5日
- 読了時間: 7分

こんにちは、大阪市福島区にある犬の幼稚園oluolu dog schoolです!
いつもはすでに犬と暮らしている方向けの情報を発信させていただいていますが、今回はこれから犬を迎えようと思っている方に向けて伝えたいことをお話させていただきます。
・あくまで真剣に犬を迎えることを検討している方向けの内容ですので、最期まで一緒らすこと、ペットショップやブリーダーの違いなどについては触れずにお話させていただきます!
・犬を迎える前の準備などについては大きく触れていません
もくじ
1.どんな子になってもかわいい、愛しいと思える子を迎えよう

犬を迎えようと思ったとき、皆さんの頭の中には様々な「犬との理想の生活」があると思います。
優雅な散歩、帰ってきたら出迎えてくれる愛犬、一緒に寝ること、子どもと一緒に育つこと、犬友達との交流、犬イベントやドッグカフェへのお出かけなど、犬と描く理想の生活は様々あることでしょう。
でも、ワンちゃんによってはそれが叶わないことがある、ということを念頭においてほしいのです。
もしかしたら知らない人や犬が苦手になるかもしれない。
もしかしたら触られることがとっても苦手で噛むことがあるかもしれない。
お散歩中に出くわす刺激(車、人、自転車、犬、騒音など)が苦手で、優雅なお散歩ができないかもしれない。
子どもと仲良くできないかもしれない。
もしかしたら、すっごく元気いっぱいかもしれない。逆に、思ったよりもおとなしいかもしれない。
一晩中鳴いて寝不足になることもあるかもしれない。
イタズラで、大切な家具やものを壊されるかもしれない。
この記事を読んでくださっているということは、ある程度犬のことについて色々調べたり、準備をされたりしていると思います。
トイレトレーニング、お手入れ練習、お散歩、日々の暮らしは思ったよりも大変なことが多いものです。
犬の気持ちを尊重したら、飼い主が理想の暮らしを諦めることも出てくるかもしれません。
たとえそうなったとしても、この子のためなら構わない、と思えるタイミングで迎えましょう。
ドッグトレーナーをしていると、様々な飼い主様と犬に出会います。
かわいいだけじゃ飼えない。それはそうなのですが、なんでもかわいい~と思える無限の愛は、犬育てをするうえで本当に大事なことだと思います。
なんでもかわいいと思うような無限の愛は、「この子が望むことを叶えてあげたい」という考えが前提です。
そういう飼い主様のもとで暮らす犬は、どんな子でも伸びやかに、自分なりに楽しい生活を送っている子が多いように思います。
逆に、
「こんなことを教えたい」
「トレーニングをしっかりカッチリしなきゃ」
「犬とこういう生活を実現したい!」
という理想が強いご家庭ほど、犬との暮らしに苦戦することが多い印象です。
2頭目を迎える場合も同じように、ギャップに苦しむ方は多くいらっしゃいます。
2.お散歩は絶対に必要!

お散歩はどんな犬種・大きさ・性格でも絶対に必要です!
特に小型犬に多く見られるのが、お散歩は2~3日に1回、15分程度だけ…という暮らし方です。
迎えるときに「お散歩はあまりいらないです」と言われたとしても、全然そんなことはないと思ってください。
お散歩、というよりは犬が心身ともに充足した発散が必要不可欠です。
犬にとって充足した発散は、とても奥が深く一筋縄ではいきません。
何か片一方が特出していたらいいわけではなく、犬の欲求がバランスよく満たされていることが大切です。
お家の中で走り回ったり、オモチャで飼い主と遊ぶだけでは正直充足した発散には満たないのです。
逆に、散歩さえいっておけばOKというわけではありません。おもちゃ遊びや飼い主とのコミュニケーションも、お散歩もどっちも必要です。
更にいうなら都会のアスファルトを1時間歩いたらOKかというとそうでないことも多いです。
都会は犬にとっては刺激が多く、満足ではなく疲労だけしてしまうなんてこともあります。
そういう場合は、刺激が少ない道や自然が多い道などを選んであげましょう。
発散不足で、かつお留守番が6時間以上あるようなワンちゃんは、大体メンタルブレイクを起こしています。
気持ちが満たされない鬱屈とした日々って、人間にとってもつらいものですよね。
結果、噛み、吠え、イタズラ、興奮、トイレの失敗などの困った行動を引き起こすケースが多々あります。
発散不足は確実に犬のQOLを下げます。
ちなみにoluoluはどんな子もハイキング推奨
活発な子はもちろんのこと、アスファルトだと歩かなくなっちゃう子や、刺激に敏感で吠えや引っ張りが多い子もハイキングに連れて行くと不思議とのびやかに歩いてくれます。
土、草、葉っぱ、石、木などの足元の感触や、風が運ぶ草木・花の匂い、喧噪ではなく木のざわめきや鳥のさえずりが鳴るような静かな環境は、犬という動物にとって自然で充足感あふれるところです。
3.犬種の特性を理解しよう

特にテリア、シュナウザー、ダックス、コリー、ブルドッグなど、狩りを仕事にしていた歴史を持った犬種は、しっかり特性を調べておきましょう。
彼らは非常にアクティブで、エネルギッシュ。その犬種が行っていた「お仕事」に必要な能力が遺伝子レベルで根付いています。
たとえばバイクや自転車をおいかけて吠える、
警戒心が高くて、知らない人に吠える、
噛んだり壊したりする、などの行動です。
これらは種特有の行動であり、本能として持っている欲求や特性の一つです。
トレーニングやしつけで、それをある程度緩和することはできますが、その欲求を完全に消し去ることはできません。
仮にトレーニングでその行動をやめさせることができても、それは犬が遺伝子レベルで持つ欲求を「ダメ!」で抑圧しているにすぎません。
どうやったら抑圧せず、周りに迷惑をかけずにその欲求を満たしてあげられるか、その環境を用意できるかなどをよくよくシュミレーションしてみましょう。
また、エネルギッシュな犬種に限らず、犬という動物が本来持っている欲求はたくさんありますし、おとなしい犬種のはずなのにとってもアクティブ!なんてこともありますので、犬を迎えたらぜひ犬の欲求について色々探してあげてくださいね。
4.フードを大量購入・定期購入しない

ワンちゃんを迎えたところによっては、フードの定期購入や大袋での大量購入を勧められるケースがありますが、トレーナー目線では基本的におすすめしません。
食べ物は犬育てにおいて非常に大きな役割を持ち、そして非常に奥深いです。
人間にも体質や食の好みがあるように、犬にも合うフードと合わないフードがあります。
また、犬のQOLの観点でも、基本的にはフードローテーションをおすすめしています。
ずっと同じフードを食べ続けていると何かしらの栄養が偏るうえに、充足感の観点でもメンタルバランスに影響を及ぼします。
フードはローテーションするもの、合うごはんを探すもの、という前提でなるべく最初の大量・定期購入は避けましょう。
特に大袋での大量購入は、フードが酸化して日を追うごとに劣化してしまいます。
酸化したフードの油分は、腸内環境の悪化や涙やけ、体臭の原因にもなりますので絶対にやめましょう。
小型犬なら1㎏、大型犬でも3㎏程度の小袋でなるべくいつでもフレッシュなフードを食べられるようにしてあげましょう。
5.犬育ては一人で悩まないで!
トレーナー、トリマー、獣医、なんでもいいです。
犬育てに悩んだ時は、すぐにプロに相談しましょう。
犬のことでうまくいかないと、犬への愛が深い人ほどたまに「飼い主失格だ…」なんて落ち込んでしまうことがあります。
不安や焦燥感に押しつぶされそうなことだってあるかもしれない。
でも大丈夫です。一人で抱え込まずにプロの力を頼りましょう。
まとめ
いかがでしたか?
日々様々な飼い主様のお話を聞いてきて、犬を迎える前にこういうことを一目、見てもらえたらなと思ったことを書きあげさせていただきました。
犬との生活はとても素晴らしいです。
彼らは多くのことを私たちに与えてくれるし、色んな事を教えてくれます。
私はトレーナーとして多くの犬と接する中で、日々犬たちに「そうだよねこうだよね」って教えてもらうことがたくさんあります。
そのたびに、あなたってなんてすばらしい子なの!?と感激する毎日です。
ぜひ、愛犬とのいとおしい生活を楽しんでくださいね。
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